初体験

毎週日曜日は実家の母の家に行き、

私と私の奥さんと3人で夕食を取る。

母は今年ちょうど100歳だ。

数少ない母の楽しみだろうと思っている。

今日も夕方、いつものように原宿から山手線に乗り、

混んでいたので吊り革につかまり立っていると、

前に座っていた若者2人がお互い目配せして、

急に立ち上がった。

そして何か言ったようだが聞き取れず、

私は「なに?」と思ったが、

すぐに席を譲ってくれたのだとわかった。

私はとてもびっくりしたが、とっさに

「ありがとう」と言って奥さんと座った。

「えー、席を譲られちゃったよー」と

心の中は大騒ぎである。

2人の若者は20代半ばくらい、

どうやら韓国の青年らしい。

他の3人の仲間と合流して、

楽しそうに喋っているのを見ると

5人で観光に来たようだ。

それにしてもびっくりした。

席を譲られたのは生まれて初めてである。

さすがは韓国、儒教の国。

「長幼の序」が徹底しているんだなと

つくづく感じた。

こんなに周りから若い若いと言われる私にさえ

席を譲ってくれた。

日本の若者ならあり得ない話だ。

いやいやこれからは日本の若者にも

席を譲られるようになっていくんだろうか。

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